1デニールの極薄ストッキングが生まれるまで — LimerenceMのものづくり

1デニールの極薄ストッキングが生まれるまで — LimerenceMのものづくり

「履いていることを忘れるストッキングを作りたい」——この一言から、LimerenceMの1デニールへの挑戦は始まりました。


なぜ1デニールなのか。それは「素肌に最も近い、しかし素肌よりきれいな脚」を実現するために、私たちが出した答えだからです。

この記事では、1デニールストッキング「[Melt 1D](https://limerencem.co.jp/products/melt-1d)」がどのように開発され、どんな技術と想いが込められているのかをご紹介します。


目次


  1. 1デニールという数字の意味
  2. 高密度編み — 細さと強さを両立する技術
  3. 開発ストーリー — 試作と失敗の先に
  4. ものづくりのこだわり
  5. おわりに




1デニールという数字の意味

[デニールとは](https://limerencem.co.jp/blogs/ニュース/what-is-denier-stockings-guide)、9000メートルあたりの糸の重さ(グラム)を表す単位です。1デニールの糸は、9000メートルでわずか1グラム。髪の毛の約10分の1の細さです。

この細さでストッキングを編むということは、ほとんど空気を編んでいるようなものです。しかしその「空気のような薄さ」こそが、履いた瞬間に消えるような素肌感を生み出します。


Melt 1D(¥1,880) は、この1デニールの極細糸を、独自の高密度編み技術で仕上げた一足です。名前の「Melt(溶ける)」には、脚に溶け込むように馴染む——そんな想いが込められています。



高密度編み — 細さと強さを両立する技術

細い糸を「強く」編む難しさ


糸が細ければ細いほど、編み機にかかるテンション調整はシビアになります。強く引きすぎれば糸が切れ、弱すぎれば編み目が揃わず、履いたときに均一な透け感が出ません。


LimerenceMが採用する高密度編みは、特殊な編み機と職人の微調整によって実現されています。通常のストッキングよりも編み目を30%以上密にすることで、1デニールという極細さでありながら、日常使いに十分な耐久性を確保しています。


伝線しにくさの秘密


「1デニールなのに伝線しにくい」——これはMelt 1Dに対する最も多い驚きの声です。秘密は編み組織にあります。一本の糸が切れても、隣接する糸がそのテンションを分散して受け止める「ラダーロック構造」により、伝線の連鎖的な広がりを食い止めます。




開発ストーリー — 試作と失敗の先に

「薄いけど透けすぎない」の壁


開発初期の最大の壁は、「薄いのに透けすぎない」という一見矛盾した要求でした。1デニールの糸で編むと、どうしても透けすぎてしまい、ストッキングとしてのカバー力(トーン補正効果)が不足していたのです。


この壁を突破したのが、密度を上げながらも光の屈折率をコントロールする糸の配合でした。ナイロンとポリウレタンの比率を最適化し、さらに糸の断面形状を工夫することで、1デニールの薄さでも十分なカバー力を実現。これにより「素肌よりきれいな脚」が完成しました。


20回を超える試作


最初のプロトタイプから製品版のMelt 1Dが完成するまで、実に20回以上の試作が行われました。ある試作品は伝線しすぎ、別の試作品は透け感が足りず、また別の試作品は履き心地がチクチクする——一つひとつの課題をクリアしながら、最終的なバランスに辿り着くまでに約8ヶ月を要しました。




ものづくりのこだわり

シルクタッチの秘密


Melt 1Dの「シルクのようななめらかさ」の正体は、糸の表面加工にあります。ナノレベルの平滑化処理により、繊維表面の微細な凹凸を極限まで減らし、肌に触れたときの摩擦感を最小化。これにより、長時間履いてもチクチクせず、まるで何も履いていないかのような快適さが持続します。


検品は全数、人の目と手で


どれだけ機械化が進んでも、最終的な品質は人の目と手で確認します。編みムラ、色ムラ、ウエスト部分のゴムの均一性——これらを全数チェックし、基準をクリアしたものだけが出荷されます。「全数検品」は手間とコストがかかりますが、「脚もとに、軽やかな透明感を」というブランドの約束を守るために、絶対に外せない工程です。




おわりに

1デニールのMelt 1Dは、単なる「薄いストッキング」ではありません。そこには「素肌をより美しく見せたい」という願いと、それを実現するための技術の積み重ねがあります。


「脚もとに、軽やかな透明感を。」 ——LimerenceMはこれからも、あなたの毎日を少しだけ特別にする一足を作り続けます。